ハドソン産業 Tokarev TT-33 TYPE-B Silver
ページ作成日時:2019,02,17
ページ最終更新日時:2019,03,22
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  1. 各種データ
  2. 外観
    1. 全体
    2. 刻印
    3. ハンマー
    4. セフティ
    5. アイアンサイト
  3. 通常分解
  4. その他
    1. ブローバックエンジン
    2. ハンマー周り
    3. ハドソン産業
  5. 所感
    1. 作動に関して
    2. インナーバレル
  6. 分解図&パーツリスト
  7. カスタム
  8. 修理
  9. ギャラリー
  10. 外部リンク
  11. ブログ記事へのリンク

ソビエト連邦で正式採用された由緒正しき銃器であるわけですが、日本国内においてはそれとは別の”良くない理由”でよく知られた存在である「トカレフ」。
これを弾の出るエアーガン(ガスガン)として、国内で初めてラインナップしたのがハドソン産業であり、特にシルバーモデルは現在もハドソン産業のみとなっています。
バリエーション展開としてブラックABSやブラックHWもあるそうです。

同社からは同じくトカレフのモデルガンが先に発売されていました。
どちらもよくできたモデルですが、コチラのエアーガン版とモデルガン版では部品形状が異なる部分が多く、流用できる部品には限りがあるものと思われます。
なお、モデルガンは実銃から採寸して作られたそうです。





各種データ


全長 作動方式 マルゼン・アドバンスシュート(旧型)
負圧式1wayブローバック
重量 マガジンなし : 0.41kg
マガジンあり : 0.57kg
動力源 HFC-134a
定価 19,800円(パッケージの値札から) 装弾数
発売日
JASGシリアル HA007177
弾速(初速)

最高64.35m/s@6mm0.20g
平均62.11m/s@6mm0.20g
最低59.06m/s@6mm0.20g

バラつき : 5.29m/s (最大値-最小値)
トリガープル

平均2.597kg

5回計測した平均値。
ロッドをトリガー中央に引っ掛けて計測。
気温/湿度 --℃/--%
距離 銃口から測定器まで約3cm
BB弾 東京マルイ製 6mm0.20g
 ( プラスティック 再利用弾 )
ガス注入 サンダーシュートTypeR(HFC134a)
 計測前に満タンまで注入、
 人肌程度まで温めて計測開始
ホップ 未調整
測定器 XCORTECH X3500





外観


スライド閉鎖時

カメラの関係で若干青く反射しているように見えますが、実際には完全な銀色です。

シルバーABSモデルの魅力はやはり、このギラギラとしたシルバーの眩い塗装ですねぇ。
まさに”銀ダラ”です。他のモデルのシルバーよりもどこか存在感を感じさせる造形・・・いやぁ美しいです。
KSCもトカレフTT33を作ってるんですがシルバーはないですから、
自分で塗装する場合を除けばハドソンしか選択肢はないんですね。

ちなみに、KSCトカレフはハドソントカレフに比べて微妙に大きいほか、リコイルスプリングさえ互換性がありません。
同じモデルであってもメーカー(厳密には金型)が違えば基本的に互換性はないんですよね。

見た感じで既に薄いことは分かりますが、握ってみてもやはり薄いということがよく分かります。
手のひらで握る部分はグリップパネルがあるのである程度厚みがありますが、親指を掛ける部分で細さを感じられます。
シングルカラムの7.62x25mm、さすがの薄さですね。これだからスーツに入れてカチコミに行けるわけだな(恐怖)

左側 右側
   
ホールドオープン時
左側 右側


フレーム後部左側 グリップパネル

刻印はフレーム左側面とグリップパネルのみです。かなり少ないですね。
どうにも実物はもっとチョコチョコ入ってるみたいですが・・・



ハンマーダウン ハーフコック フルコック

左から、ハンマーダウン ⇒ ハーフコック ⇒ フルコック、です。
ガスが入ったマガジンが装着されている場合、ハーフコックかフルコックにしかできません。
しかし、やはりこのハンマーダウン時のすごいめり込んでるハンマーが良いですね。
なんだかカワイイと思うんです。



セフティON セフティOFF

実銃にマニュアルセフティはありません。
が、このハドソン産業製TYPE-Bではいわゆる”トイガンセフティ”が左グリップパネル上部に搭載されています。
( ちなみにTYPE-B以外ではスライドストップにセフティ機能が仕込まれています )
上に多く飛び出した状態でOFF、下に押し込まれた状態でON、となります。
操作時にはクリック感があります。

このセフティがONになると、
@ 内側の突起部分がグリップの裏を通るトリガー・バーに干渉し
A トリガーが引けなくなる
というわけです。

ただ、このセフティはそれなりに硬く、場所も悪いので実用性は非常に低いですね。
気に入らない場合はグリップパネルを取り外してセフティを抜き取ることも可能ですが、
左グリップパネルの一部がセフティ搭載のために切られているので目立ちます・・・

グリップパネル裏面


アイアンサイト

本体はギラギラのシルバーですがサイトは黒です。
実際はもっとフロントサイトが分厚く見えます。

あと、写真ではあまり目立っていませんが
実際に構えてみるとファイアリングピンの部分に
プラスネジが留まっていて気になります。






通常分解


参考画像 解説 全体

マガジンを抜き、フレーム右側面にあるクリップを後ろに引いて、
スライド・ストップを左側へ外します。
悲しいことにこのクリップを動かす動作によって本体にキズが入ります・・・

スライド・ストップは銃本体を傾ければ簡単に取れてきますが、
どこかが引っかかってる場合はスライド・ストップを上下に少し動かすと取れます。

スライド・ストップを外したら、スライドを前方へ引き抜きます。

リコイル・プラグをつまようじで押し込みながら、トップ・リングを回していきます。
それなりにリコイル・プラグを押し込まないと回らないことがあります。
180°回したところでトップ・リングが外れます。
飛び出す可能性があるので注意しましょう。

なお、リコイルスプリングは後述(カスタムの項)の通り変更されています。
もともとのスプリングは黒色でもっと長く巻き数も多いです。

インナーバレルをアウターバレルから分離します。
ハマってるので少し力を入れて引っ張ります。

インナーバレルはスライド下面から、
アウターバレルはスライド前方から引き出します。
インナーバレルを付けたまま引っ張り出そうとすると引っかかるのでNGです。

マガジン挿入口を覗き込み、左グリップパネル裏面下部にある
レバーを回してグリップパネルを取り外します。
このとき、セフティを紛失しないように注意が必要です。
なお組み込み時はON/OFFどちらの位置でも組めます。

左グリップパネルを外すと、右グリップパネル裏の
レバーが触れるようになるのでこちらも回して取り外します。



これでツールレスで分解できる部分をすべて分解しました。(たぶん)
かなりバラバラにできる構造だと思います。
これがトカレフの特徴のひとつなのです。

こういう分解の部分もしっかり再現できるのが
ガスブローバックガンの魅力ですよねぇ・・・
撃ってる間は分かりませんが、
何も撃つだけが銃ではありませんからね。






ブローバックエンジン


作動イメージ

ハドソン産業製トカレフのブローバックエンジンは、旧型のマルゼン製「アドバンスシュートエンジン」をベースとした構造であり、
バルブリリースのツメをシリンダーが押し下げることによってガスカットを行う、という特徴を持ちます。

このため、ガス圧が高いとバルブリリースが硬くなり、シリンダーが押し込みきれずにガスが出っぱなしになります。
シリンダーは垂直方向の固定が弱く、軽量なプラ製ゆえ惰性も小さいのでこれに拍車をかけています。
なお、このバルブリリースの押し込み幅は1mmほどなので、図のようにガッツリ押し込むほど動くことはないです。

また、シリンダー前方に発射ガスルート専用の小部屋が設けられていて、これもこのエンジンの特徴的な部分となっています。
シリンダーを分割することによるメリットはあまりないですから、効率的な構造ではないと思いますが、
マガジン側で発射とブローバックのガスルートを分けている以上、この構造にするしかないのかもしれませんね。



ハンマー周り


ハンマー周辺

マガジン側にバルブリリースがあるため、フレーム側にバルブノッカーを押し込んだまま保持する部品はありません。
それにしてもスッキリしたハンマー周りです。トカレフが量産性最重視の拳銃だからなのでしょうか?



ハドソン産業


ハドソン産業はモデルガンで有名な会社でしたが、のちにガスガンも数種類ほどラインナップしました。
残念なことにトイガン事業からは既に撤退した、もしくは廃業状態のようで、どの製品も追加の生産は見込めない状況となっています。
絶版になったわりに価格があまり高騰していないため、入手性はそう悪くありません。・・・と思ったんですがジェリコは出物によっては高いですね。
今後は個体数の減少、流通量の低下が見込まれるため、もし欲しい場合は早めに確保しておくのも良いと思います。

同社製ガスブローバックガンとしては、今回のトカレフのほかM3A1グリースガンやジェリコ941も存在しています。
ブローバックエンジンはいずれもマルゼンと提携して作ったものですが、ジェリコ941にはハドソンオリジナルの「バタフライバルブ」なるものが組み込まれているそうです。
また、フィックスドガスガンとしてダブルバレルショットガンなる変わり種も存在します。






所感 -- 作動に関して


作動の安定性はあまり良くなく、マガジン温度が不十分だとバースト射撃になってしまいます。
ただし、これは後述の簡単なパーツ交換(カスタム)を施すことで十分に改善されるので、軽く手を入れてあげましょう。
作動安定性を改善すれば、作動性能(スライドスピード)自体はそれなりのものですからストレスなく遊べるようになります。
ただスライド重量が非常に軽く、シリンダーも小さいのでキック力はありません。

このモデルはマガジンがガス漏れしやすいため、Oリング、シールテープ、シリコンスプレー、工具を揃えておくと安心です。
マガジン構造はWAに似ています。初期のWAマガジンもよく漏れてましたから似たような理由なんでしょうか? ・・・いやあれはシリコンパッキンのせいですかね。失礼しました。
また、マガジンキャッチがキツイためマガジンの出し入れがあまりスムーズではありません。
入れるときは叩き込もうとせずにゆっくりグッと押し込み、抜く際はランヤードを引っ張ると抜きやすいです。
使ってるうちに”あれ?入れやすくなった?”と思ったらマガジンキャッチのネジが緩んできたサインなので増し締めしましょう。

ハドソントカレフの特徴として、”非常に硬いトリガー”も挙げられます。
これはハンマーをフルコックした状態でのみ発生し、ハンマースプリング自体はそう強くないようですから、
トリガー周りの部品同士の摩擦抵抗が大きいことに起因すると思われます。よく”つまようじを折る感覚”と例えられますが、だいたいその通りです。
射撃精度が低下するため、たいていの場合は欠点として捉えられますが、リアルな感覚を味わえるので私は好きです。
トリガーを引くとき、トリガーの上の方に力を入れると引きやすいのでココを意識してあげると良いでしょう。

なお、トカレフのトリガーはガバメント同様、真後ろに引くタイプになっています。
最近はトリガーピンがトリガーの上のあたりに付いてて回転させるように引くモデルが多いようですが、
個人的にはこの真後ろに引くタイプのほうが触ってておもしろいので好きですね。
トリガー・バーがマガジン左右を通っている関係上、厚みが増えても影響の少ないシングルカラムの銃にしか採用しにくいのかなーと思います。

これは特徴というより不具合ですが、装填動作を行った際、特にスライド閉鎖中にマガジンを入れた場合に起こりやすいと思うんですが、二重給弾を起こすことがあります。
また、運が悪いとシリンダーとスライドの間にBB弾が入り込むこともあります。BB弾が入り込んだ場合は通常分解し、スライド裏面側からBB弾をつつき出すことが必要です。
不具合回避のため、一度ホールドオープンさせてから、マガジンを挿入すると良いと思います。
スライドを戻す時にスライドストップを押し下げるとノッチが削れそうなので、スライドを引っ張って戻しましょう。よく使われている小技ですね。



所感 -- インナーバレル


このハドソントカレフには、他のモデルのようなインナーバレル保持用のOリングがありません。
なぜなら、Oリングが要らないほどインナーバレル外径とアウターバレル内径が近く、割とピッチリ入っているからですね。

このインナーバレルは前から見ると、割と肉厚なものであるように見えます。
ふつう、インナーバレルの肉厚について考えることはないと思いますが、STGAの規則によれば、

「インナーバレルは、プラスチック、アル
ミまたは真鍮の何れかでつくられてい
ること。アルミ、真鍮の場合に限り、厚
みは2mm以下(許容差+0.5mm)とする。」


とされており、実はインナーバレルにも業界団体によっては2018年現在、規制があります。
ハドソントカレフはだいぶ古いモデルですし、ハドソン産業はJASG加盟ですけどね。

なぜこんなことを決めているのか、直接聞いたことはありませんが、6mmスチールベアリングを十分な威力で射出するしようと内径を拡げられないように、
あるいは高圧ガス使用時に破裂するように、ということなのではないかと思います。実際、6mmスチールベアリングはこのモデルに限らず、
純正インナーバレルをギリギリ通過できるんですが、かなりキツいため内面に擦れて威力が出ないはずです。

ふつう、インナーバレル内径は6.05mm程度、BB弾が5.95mm程度ですから、0.10mm程度の空間が必要であることが分かります。
つまり、純正インナーバレルの内径を約0.05mm拡げて6.10mmくらいあれば撃てる計算になるんですね。
で、そういうことを防いだり、少なくともその状態で高圧ガスを使えないようにしたり、ということで肉薄インナーバレルが必要なんじゃないかなと思います。

ちなみに、”2mmも要らなくない?”と思う人もいると思うんですが、どうにもライフル用の長いインナーバレルでは厚みがあるみたいなんですね。
まあこれはJASG加盟のKSCの例ですが。たぶん曲がり防止か何かだと思います。もしかするとハンドガンへの転用防止かもしれませんが、モデルによっては入ります。
STGA加盟のマルシンはライフルでも8mmでもあんまり厚くないような記憶がありますね。






分解図&パーツリスト


取扱説明書 分解図&パーツリスト
   
シルバーモデル専用追加パーツリスト

「 取扱説明書 」
左が表表紙、右が裏表紙です。
TYPE-Bでは初期型とは異なり、青を基調とした配色になっています。

「 分解図&パーツリスト 」
裏写りが激しいためモノクロ化しました。

「 シルバーモデル専用追加パーツリスト 」
ニッケルフィニッシュ(シルバー)にのみ付属する追加パーツリストです。






カスタム


写真は上から、
・ KSC トカレフTT33用 リコイルスプリング
・ ハドソン産業 トカレフTT-33用 リコイルスプリング 【標準搭載】
・ メーカー不詳 タナカ・G17用 70%リコイルスプリング

リコイルスプリングをタナカG17用70%スプリングに変更してあります。
もともとこのモデルは、スライドがかなり細いためシリンダー容量が小さく、
したがってブローバックのキック力も弱いんですが、
その割には標準リコイルスプリングにやや硬いモノが使われています。
そのため、スライドの後退量不足からディスコネクターが作動せず、バースト射撃が多発していました。
しかしリコイルスプリングの変更で快調動作するようになりました。見た目良し動き良しで最高の1挺です。

なお、KSCのGLOCK18C用純正リコイルスプリングは柔らかすぎてスライドを動かせないようでした。
このモデルはブリーチとハンマーとの摩擦抵抗が大きいため、あんまり柔らかすぎてもダメなんです。






修理


ガス漏れ修理

・ ガス漏れのため、バルブOリングを交換。ISO-A0022G使用。ISO-A0025Gでも良いかも。

ガス漏れ修理

・ ガス漏れのため、マガジン底部パッキンにシールテープを巻き付け。2周巻き。

















ブログ記事へのリンク


日商簿記2級受験記念・銀ダラ
ハドソン製トカレフ用マガジンのOリング@
ハドソン製トカレフ用マガジンのOリングA
トカレフのコラージュ画像(?)を作ってみた
ハドソン産業 トカレフ TT-33 : 弾速測定
ハドソン・トカレフエンジン 試作GIF、ほか
ハドソン産業・トカレフTT-33 リコイルSP変更